投資信託のリスクって、分かるようで何だか分からないものですよね。
ただリスクを考えずに始めてしまうと、とても危ない投資になってしまいます。
結論から言うと、投資信託のリスクとは「リターンの幅」であり、自分が受け入れられる幅をきちんと知っておく事が大事です。
どういう事か、まだ分からない方も多いと思いますが、安心して下さい。
知識ゼロの初心者の方でも分かるよう、できるだけ分かりやすく解説しますね!
Contents
1.そもそも投資におけるリスク(標準偏差)とは?
①リスクとは「値動きの幅」の事

投資におけるリスクとは、リターンの幅だと思って下さい。
分かりやすく言うと、上記の振り子のイメージで、ハイリスクハイリターンになるにつれ振れ幅が大きくなり、大きくプラスが見込める際はその分マイナスも膨らむ可能性があるという事です。
「会社を辞めるなんてリスクだ!」などで使うリスクは「危険」という意味があると思いますが、投資のリスクとは意味合いが変わってくるんですね。

たとえば、あなたのお金が10%減る可能性が50%、10%増える可能性が50%だとします。
この場合のリスク、つまりリターンの幅は10%という計算になります。
リスクについての考え方自体は、そこまで難しくないですね。
②リスクをもう一歩深く知るための、期待リターンについて
▼以下の2択ならどちらを選ぶ?
- 100円が100%、105円に増える
- 100円が、95円に減る可能性が50%、115円に増える可能性が50%
では上記の2択だと、あなたはどちらを選択しますか?
この判断となる材料に、先ほどのリスクと合わせて「期待リターンの考え方」が大事になってきます。
期待リターンはその言葉通り、リターンがどれだけ出そうかという期待感の事です。
①は100円が何のリスクもなく105円となったので、期待リターンは5%(リスクは0%)であると、何となくイメージできますよね。
では②はどうかというと、この場合の期待リターンも(95-100)×50%+(115-100)×50%=5%とじつは①と同じです。

- 100円が100%、105円に増える
→期待リターンは5%、リスクは0%! - 100円が、95円に減る可能性が50%、115円に増える可能性が50%
→期待リターンは5%、リスクは10%!
投資におけるリスクとは、リターンの幅の事でしたよね。
②のケースで、期待リターンは5%で、半々の確率で95円に減るか115円に増えるかだと、リスクは10%となるわけです。
上記の振り子のように、たしかに期待リターン5%から見て、-5%の損失~+15%の利益と10%の幅になってますね。
このように、期待リターンとリスクでどれくらい利益が出そうか、もしくは損しそうかを考える事ができます。
後ほど紹介しますが、統計学では期待リターンが5%、リスクが10%だと、約68%の確率で-5%~+15%の間に収まると言われています。
2.投資資産により、リスクと期待リターンはおおよそ決まる
国内・海外の債券や株式のどれに投資するかで、リスクと期待リターンはおおよそ決まるデータがあります。
たとえば上記だと、2018年度末の国内株式の期待リターンは5.3%、リスクは約25%という事が分かりますね。

- 期待リターンが5.3%、リスクが約25%
→1年間のリターンは68%の確率で、-19.7%(5.3%-25%)~30.3%(5.3%+25%)の幅に収まる
先ほどと同じように計算すると、統計学上、期待リターンが5.3%、リスクが25%だと、約68%の確率で-19.7%~+30.3%の間に収まります。
ただしリーマンショックのような例外の年もあるので、リスクの幅を2倍に広げる(上記の図だと±2標準偏差)と95%の確率で収まると言われています。
3.各投資信託のリスクと期待リターンはどうやって知ればいい?
それぞれの投資信託のリスクと期待リターンは、商品紹介の欄で載っています。
たとえば楽天証券なら、「リスクリターン(税引き前)詳細」を見れば分かりますね。
期間ごとの年率でのリターンとリスクが載っていますが、なるべく長期間のデータを拾うのがベターです。
今回は期間5年を見てみると、リターンが年3.30%でリスクが年5.63%ですね。

- リターンが3.3%、リスクが5.63%
→1年間のリターンは68%の確率で、-2.33%(3.3%-5.63%)~8.93%(3.3%+5.63%)の幅に収まる
→また、95%の確率で-7.96%(3.3%-5.63%×2)~14.56%(3.3%+5.63%×2)の幅に収まる
先ほどの振り子の例で、リスクはそれぞれ上記の通りになります。
つまりこの投資信託であれば、1年間の間に、68%の確率で-2.33%~8.93%のリターンに落ち着き、95%の確率で-7.96%~14.56%のリターンに収まります。
なので、年間で最大でも-8%程度の損失を見ておけば良いという事ですね。
仕組みさえわかれば、計算自体は難しくない事が分かりました。
4.リスクと期待リターンを知ったら、自分に合ったリスク許容度を知る事が大事

リスクと期待リターンを知ったら実際にどんな投資信託を選ぶかという話になりますが、ここで大事なのがリスク許容度です。
すなわち、自分がどれだけリターンの値動きを受け入れられるかという事ですね。
株式100%ならそれだけハイリスクハイリターンになるので、短期間で10%近く値動きする事も珍しくありません。
逆に債券の比率を上げると、ローリスクローリターンに近づくので、精神的に慌てる事も少なくなってきます。
いずれにしろ、自分がどれだけのリスク(値動き)を許容できるかで、選ぶ投資商品が変わってくる事を知っておきましょう。
初心者向けのつみたてNISAのおすすめ投資信託は、リスク許容度別に以下の記事でまとめているので、ご参考にどうぞ↓

「自分のリスク許容度が分からない!」という方は、とりあえず少額で始めてから、実際の損益で様子見してみると良いですね。
5.【参考】長期間の運用につれ、リスクは減ってリターンは安定する
最後に、長期投資が推奨される理由を、リスクリターンの観点から紹介します。
上記は過去40年間、東証一部銘柄全体のリターン(年率)を投資期間別に見たものです。
1年間の投資だと、最大で年72.1%のプラスになった年もあれば、最低で年-24.8%のマイナスになった年もあり、年ごとのリターンの幅が非常に大きいですね。(チャートの1番左)
しかし30年の長期間では、最大でも年12.8%のプラス、最低でも年6.8%のプラスと安定したことが分かります。(チャートの1番右)
つまり投資期間を長くしていくと、それだけリスク(リターンのブレ幅)が小さくなる効果が期待できます。
仕組みは難しくなく、基本的には想定されたリスクから大きく外れる可能性は低いので、長期間のトータルリターンを1年当たりに直すと、より狭まったリターンの範囲が見えてくるというわけですね。
投資信託で長期運用を考えている方は、知っておくと心強いですよ。
6.まとめ:【超初心者向け】投資信託のリスク(標準偏差)とリターンとは?


投資信託のリスクリターンは何となく難しいイメージがありますが、実際はそこまで難しくありません。
リターンばかりに目が行ってしまいがちですが、きちんとリスクにも注目しておくと、損失が出た際にも慌てる事がありませんよ。
気になる投資信託があったら、リターンといっしょにリスクも見ておく習慣を持っておきましょう!
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