【超初心者向け】投資信託の目論見書の見方|最低限のポイントだけ抑えよう

投資信託の目論見書って、正直分かりづらいですよね。
私も初めて読んだ時は、サッパリ理解できなかったのをよく覚えています。
しかし、投資信託を購入する上で、かならず目を通しておくべき重要な資料なのは間違いありません。
なので、本記事では超初心者向けに、「最低ここだけは押さえておきましょう」という内容をピックアップして紹介しますね。
初めての方にも分かりやすく、図解しながら丁寧にお伝えするのでご参考にどうぞ!
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0.そもそも投資信託の目論見書と運用報告書の違いは?
- 目論見書:投資信託の説明書。かならず事前に確認する必要あり
- 運用報告書:決算期ごとの運用結果が記載されたレポート
投資信託に関する資料は、大きく分けて目論見書と運用報告書があります。
簡単に言うと目論見書は事前の説明書であり、運用報告書は決算期ごとの結果が分かるレポートだと思って下さい。
運用報告書については以下の記事で解説したので、今回は目論見書だけに注目して分かりやすく解説していきますね。

1.投資信託の目論見書の見方
①ファンドの目的・特色
- どの地域の何に投資をしているか
- インデックスファンドかアクティブファンドか
- 為替ヘッジはありか
- 決算頻度はどのくらいか
②投資のリスク
- 株価変動リスクや為替リスクなど、想定されるリスクは何か
③運用実績
- 過去の基準価額と純資産の推移はどうか
- 細かい投資先はどうなっているか
④手続・手数料等
- 信託期間はいつまでか
- 購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬などコストはいくらか
- 税金はいくら払うか
目論見書は上記の4つに分けてチェックすればOKです。
1つずつ見ていくとそこまで難しくはないので、安心して下さい。
なお今回は具体例の資料として、「たわらノーロード 先進国株式」の目論見書を見ていきます。
余裕のある方は、目論見書を実際にダウンロードして眺めてみて下さい。

出典:たわらノーロード 先進国株式|楽天証券
2.ファンドの目的・特色
①どの地域の何に投資をしているか
まずは投資対象についてですが、地域に関しては日本や海外など記載されているので比較的分かりやすいと思います。
1つの国だけでなく、複数の国や世界全体に幅広く分散投資している事もあります。
また何に投資をしているか(投資対象資産)については、基本的に株式と債券を知っておきましょう。
分かりやすく言うと株式は値動きが大きい、債券は株式に比べ値動きが小さい商品だと思って下さい。
先ほどの地域と併せて、「日本の債券」や「米国の株式」というように投資対象は決まるイメージです。

出典:表紙 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
では目論見書の表紙を見てみると、どこの国の何に投資しているかは矢印の部分で分かりますね。
上記なら、「海外(先進国)」の「株式(インデックス型)」に投資している事が分かりました。
インデックス型については、次に説明しますね。
②インデックスファンドかアクティブファンドか
インデックスファンド | アクティブファンド | |
投資目標 | 指数との連動 | 指数を上回る成果 |
コスト | 比較的低い | 比較的高い |
リターン | 同じ指数に連動した商品ならほぼ変わらない | 商品ごとに変わる |
よく聞くインデックスファンドは、日経平均株価などの指数との連動を目指すものだと思って下さい。
インデックス(指数)とは簡単に言うと、さまざまな数値の平均点のイメージですね。
コストが比較的低く、同じ指数に連動した商品ならリターン(利回り)もほぼ変わりません。
一方で指数を上回る成果を目指すのがアクティブファンドです。
ファンドマネージャーによる運用や分析に人的コストがかかる分、手数料がインデックスファンドに比べ高いなどのデメリットもあります。

出典:1ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
今回でいうと、MSCIコクサイ・インデックスに連動するインデックスファンドのようですね。
このMSCIコクサイ・インデックスの中身が何なのかをチェックすると、投資対象地域や資産が具体的に見えるようになります。
後でチェックする「運用実績」欄で、細かい投資先は明記されているので、後ほど確認しましょう。
③為替ヘッジはありか
為替ヘッジは、為替の変動による損失をヘッジ(回避)する事だと思って下さい。
上記のように1ドル=100円の購入時より、1ドル=120円と円安に傾けば得しますが、1ドル=80円と円高に行くと為替の変動による損失が発生しますね。
そうならないために、1ドル=100円でドルを売る契約を先に結んでおくのが為替ヘッジです。
為替ヘッジする分の手数料がかかる上に、円安になった際の為替差益も発生しない点は注意が必要です。

出典:1ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
今回で言うと、上記の通り為替ヘッジはなしですね。
ここが為替ヘッジありになっていると、後で紹介する為替リスクを回避する事ができます。
(ただしその分、為替ヘッジの手数料がかかると思って下さい)

④決算頻度はどのくらいか

出典:1ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
決算頻度については、文字通り決算のタイミングは1年に何回かという内容ですね。
NG投資信託と言われがちな毎月分配型では、この決算頻度が年12回(毎月)となっています。
決算時における分配金の金額については、後ほど触れる運用実績で解説します。

3.投資のリスク
①株価変動リスクや為替リスクなど、想定されるリスクは何か

出典:4ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
- 株価変動リスク:投資した企業の株価が下がるリスク
- 為替リスク:為替相場の円高によるリスク(さっきの為替ヘッジありだと、このリスクを回避できる)
- 信用リスク:投資した企業が財政難や倒産で信用が下がった際、株価も大きく下がるリスク
- 流動性リスク:投資した株式などの資産が、期待通りに売買できなかった時のリスク
続いては投資リスクですが、投資におけるリスクとは「値動きの幅」だと思って下さい。
たとえば今回で言うと、投資した海外企業の株価が下がってしまった際、基準価額(投資信託の価格)も下落してしまう恐れがあります。
このように基準価額の下落によって損をする可能性と、その理由はきちんと知っておきましょう。
4.運用実績
①過去の基準価額と純資産の推移はどうか

出典:7ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
- 基準価額:投資信託の一口あたりの価格で、この基準価額が購入時より上がれば利益が出る
- 純資産:その投資信託にどれだけ資金が集まっているか。人気の投資信託ほど純資産は右肩上がりに増えていく。
大事な運用実績については、基準価額と純資産をチェックしましょう。
まず基準価額については、文字通り投資信託の基準となる価格の事で、これが購入時より上がれば利益が出ると思って下さい。
基準価格は直近1年だけ見るのではなく、3年、5年、10年と長期間で遡って見る事が大事です。
また純資産は、その投資信託にどれくらいの資金が集まっているかを見る指標です。
純資産は30億円以上あると比較的安心できるといわれており、逆に右肩下がりとなってくると途中で運用が中止(繰り上げ償還)となる可能性もあるので注意しましょう。
上記の赤枠の箇所を見てみると、基準価額(赤とグレーの線)は当初の10,000円(左軸)から現在は13,000円程度まで上がっていますね。
純資産は300億円を超えて、順調に増えている事が分かります。(右軸)
また右の「分配の推移」を見ると、今回の投資信託は分配金が毎年無い事が分かりますね。
その分、基準価額の上昇を重視していると思って下さい。
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②細かい投資先はどうなっているか

出典:7ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
最初のファンドの目的・特色」で少し触れていましたが、ここで細かい投資対象地域と資産が分かります。
今回で言うとほぼ株式100%で、内訳はアメリカが60%以上、イギリスが6%程度と先進国で分散投資していますね。
さらに個別の株式で一番投資しているのは、アップル(APPLE INC)の2.55%というのが分かります。
このように、投資信託がどこの地域の何に投資しているかは、購入する前にきちんと知っておくのが大事です。
5.手続・手数料等
①信託期間はいつまでか

出典:8ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
信託期間とは、投資信託の運用期限の事であり、これが決まっていると長期投資には向いていない事になります。
また繰上償還といって、投資信託の運用を終了するケースもあるので事前に知っておきましょう。
②購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬などコストはいくらか
- 購入時手数料:投資信託を購入する際に、販売会社に支払う手数料(つみたてNISAはこれが無料な事が対象商品の条件)
- 信託財産留保額:投資信託を解約する際に投資家が支払う手数料(つみたてNISAでは一部の投資信託のみ設定されてる)
- 信託報酬:運用会社などに対して運用期間中、ずっと支払う手数料
- 隠れコスト:売買委託手数料や保管費用、監査費用など、目論見書で料率が具体的に記載されていない手数料
投資信託のコストの内訳は、簡単に言うと上記の4つだと思って下さい。
投資信託を購入する際や解約する際に支払う購入時手数料や信託財産留保額は、最近は無料の銘柄も多いですね。

出典:9ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬は上記に記載されています。
今回で言うと購入時手数料や信託財産留保額はゼロで、信託報酬は年0.216%(税込)かかるというわけですね。
ただややこしいですが、目論見書では具体的に分からない隠れコストもあり、それは運用報告書でチェックする必要があります。


③税金はいくら払うか
ざっくり言うと、投資信託の利益には約20%の税金がかかると思って下さい。
利益から税金を引いた額が、実際の儲けとなります。

出典:9ページ目 目論見書(たわらノーロード 先進国株式)|楽天証券
税金は分配金(細かく言うと普通分配金)と換金時などの利益にそれぞれかかります。
ただあまりややこしく考えず、基本的には20%程度の税金がかかると思って下さい。
ちなみにNISAやつみたてNISAなら、この税金がかからないのでお得な制度なんですね。


まとめ:【超初心者向け】投資信託の目論見書の見方|最低限のポイントだけ抑えよう
①ファンドの目的・特色
- どの地域の何に投資をしているか
- インデックスファンドかアクティブファンドか
- 為替ヘッジはありか
- 決算頻度はどのくらいか
②投資のリスク
- 株価変動リスクや為替リスクなど、想定されるリスクは何か
③運用実績
- 過去の基準価額と純資産の推移はどうか
- 細かい投資先はどうなっているか
④手続・手数料等
- 信託期間はいつまでか
- 購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬などコストはいくらか
- 税金はいくら払うか
投資信託の目論見書は、パッと見ると難しく思いがちですが、まずはポイントだけ押さえておけばOKです。
今回のようにチェックする部分を絞っていけば、そこまで難しくはありませんね。
投資信託は気軽に分散投資ができる商品ですが、事前に目論見書は確認するようにしておきましょう。
NISAやiDeCoで投資信託を考えている方にも大事な知識なので、忘れそうになったらこの記事を再度読んでみて下さい!
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