【注意点あり】つみたてNISAを5年の短期間で運用するのはアリか?

「5年しか運用する予定がない人は、つみたてNISAをやらない方が良いですか?」と聞かれる事があります。
結論としては運用期間5年でも値上がりは期待できるのでやる価値はありますが、その分気をつけないといけない事があります。
それは「短期運用だと、暴落時に相場の回復が待てない」という注意点です。
どういう事か、初心者の方にも分かりやすく紹介していきますね。
つみたてNISAに限らず、投資信託に興味ある方はぜひ参考にして下さい!
- 5年程度の短期間の運用だと、暴落時に相場の回復が待てない
- リーマンショックでも、株式市場が以前の水準に回復するまでのに5年近くはかかった
- ローリスクローリターンの商品を選んでも、短期運用では含み損を抱える可能性あり
- 運用期間が10年ほどあれば、暴落が起こっても相場の回復がある程度期待できる
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「そもそもつみたてNISAって何だっけ?」という方は、先に以下の記事をどうぞ↓

1.相場の回復を待てないのが、つみたてNISAを短期間で運用する上での注意点
そもそもつみたてNISAを期間5年しか運用したくないという人は、どんな方でしょうか。
おそらくは30-40代で子どもの教育資金や住宅ローンの頭金準備などが間近に迫ってきている人だと思います。
(あんまり間近なら、もう貯金で準備した方が良いでしょうが)
つまり近い将来に、割とまとまったお金を払う予定があるケースという事ですね。
そうでなければ、基本的にはつみたてNISAは長期間の運用が好ましいです。
理由はシンプルで、優秀な投資信託に投資しておけば、長期では右肩上がりに増えていく傾向があるからですね。

出典:モーニングスター
上記は人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が連動するACWIのチャートです。
リーマンショックの際(2008~2009)に大きく下がってますが、そこを除くと過去15年でも右肩上がりですね。
しかし、いかに右肩上がりが期待できる投資信託でも、実際は上下に値動きしながら短期間で見ると含み損を抱えるケースがほとんどです。
たとえば先ほどのチャートでも、リーマンショック以前の水準に回復するまでのに5年近くはかかった事がわかります。
そしてここが重要ですが、暴落の際に相場の回復が待てないのが、最初にお話したつみたてNISAを短期間で運用する上での注意点と言えるでしょう。
つみたてNISAは、価格が下落して安くなったときにも多く購入できるという積立の特徴があります。
その上で20年ほどの長期の運用であれば、慌てる事無く相場が戻るのを待つ余裕が生まれます。
しかし5年間の運用中にリーマンショック級の暴落が来たら、結局は相場が下落したまま売り時を迎えてしまうという事態になるわけですね。
2.つみたてNISAで5年後に暴落が来た際の売り時(出口)も考える

基本的には上記の記事で紹介している通り、売るタイミング(出口)で暴落が来ても、必要な分だけ都度崩しながら相場の回復を待つスタイルがベターです。
ただし、今回のように5年後という売り時の目安がついていると、この戦略はなかなか使えません。
出口の時期が決まっている=およそ具体的な金額を使う予定があるという事なので、徐々に崩しながらという方法は使いづらいですしね。
つまりつみたてNISAの運用スタイルは、どこまでいっても短期投資に向いてないと言えます。
短期間での上昇を見込むのであれば、それこそNISAで個別株を選ぶなどの選択肢が出てくるでしょう。
でもそれが多くの投資初心者は選べないので、「あえて選ばずに指数など全体に投資する」インデックスファンドを、つみたてNISAにて運用するわけですね。
3.債券比率を高くしたローリスクローリターンでの、5年間の短期運用を考察
「それならつみたてNISAでも、とにかくローリスクローリターンにすれば良いんじゃないか?」と思った方もいるはずです。
基本的には株式より債券を多くすると、それだけ値動きが小さくなるので、債券重視の投資信託を選べば良いんですね。

出典:楽天証券
というわけで、つみたてNISAの中でも債券比率が70%と高いローリスクローリターンの「三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)」で実際に考えてみましょう。
つみたてNISAの対象商品で債券100%の投資信託は無いので、これが一番リスクを抑えられるケースかなと思います。
リーマンショックがちょうどあった際の、2006~2010年で見てみたいと思います。
上記のように、2008と2010の間で大きく下がってますね。
(ただそれでも最大15%程度しか下がっていません。株式100%だったら半値近くまで下がっていたでしょう)
各年の12月末日の数字を購入単価として拾ってます。
購入額は分かりやすく、30,000円で統一しました。
2006~2010年の5年間での短期運用だと、トータルリターンは-1.6%とマイナスになりました。
ローリスクローリターンに抑えた投資信託を選んでも短期運用だと若干ですが含み損を抱えた事になります。
一方で、2015年まで10年間運用した際は、トータルリターンは+27.6%と大幅なプラスになりました。
よって商品の選択で下落幅を小さくする事を考えるより、暴落時でも回復を想定して、いかに長期間で持つ事が大事かがわかると思います。

4.【参考】期間を5年より伸ばした方が、リターンは安定する

出典:投資信託協会
期間を5年より長く持った方が良い理由を、参考までに別の点からアプローチしてみます。
上記は過去40年間、東証一部銘柄全体のリターン(年率)を投資期間別に見たものです。す。
1年間の投資だと、最大で年72.1%のプラスになった年もあれば、最低で年-24.8%のマイナスになった年もありました。(チャートの1番左)
しかし30年の長期間では、最大でも年12.8%のプラス、最低でも年6.8%のプラスと収益が安定したことが分かります。(チャートの1番右)
つまり投資期間を長くしていくと、それだけリスク(リターンのブレ幅)が小さくなる効果があるというわけですね。
リスクリターンについては、以下の記事で詳しく書いているのでぜひ参考にどうぞ↓

5.まとめ:【注意点あり】つみたてNISAを5年の短期間で運用するのはアリか?
結論としては、つみたてNISAなら運用期間が10年ほどあれば、暴落が起こっても相場の回復がある程度期待できると思います。
どうしても短期で運用したければ、2~3年運用した段階で含み益が出ていたら早めに利益確定していくのが望ましいかと。
ただし当然マイナスになっている可能性もあるので、その際は長期保有する想定もしておくとベターですね。
つまり結果的には、5年より長く持つのも視野に入れるという事ですが。
途中でお伝えした通り、優秀な投資信託であれば、基本的には時間の経過とともに右肩上がりの成長が期待できます。
短期間で運用する際は、暴落時に相場の回復が待てないというネックを頭に入れておくといいでしょう。
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