元銀行員ブロガーの亮平です。
朝から注目ニュースを見つけたので、シェアします。
要約と自分の所見は、以下の通りです。
- 三菱UFJ信託銀行が、仮想通貨取引所が破綻に備え、利用者の通貨を保全する
- 仮想通貨を委託者の財産と別勘定で扱うとして、特許を出願中
- 特許が認められれば、18年4月サービス開始予定
- 仮想通貨ユーザーは手数料がかかる分、信託が保全(補償)して貰える安心感が得られる
- デメリットは即時取引に支障が出る可能性、銀行に取引情報を渡す可能性があり
安心して仮想通貨を利用したい人にとっては願ってもないサービスですね。
本件をまとめましたので、ぜひご参考にして下さい。
Contents
1.そもそも信託とは?信託銀行ってなに?

信託とは、委託者が、信託目的にしたがって、所有する金銭や土地などの財産を、自分自身や大切な人(受益者)のために、信頼する人または専門家(受託者)に託し、運用・管理を任せる法的な枠組みです。
信託を利用することで、財産の委託者は、受託者の持つ専門性を活かした資産運用や財産の保全を実現することができます。「大切な人のために、大切な財産を託す」この信託の仕組みが果たす役割は、多くの企業や個人にとって非常に大きなものとなっています。
信託銀行と聞くと、あまりなじみがないと思いますが、そんなに難しくありません。
『信じて託す』の言葉通り、自分の財産を信頼できる人や専門家に任せて管理して貰う仕組みです。
なので、僕がいた三菱東京UFJ銀行とはグループ会社ですが完全に別組織であり、銀行のお客さんに対して信託の営業マンを連れて行く、という事もやっていました。
2.信託銀行が仮想通貨取引所の破綻補償をするメリットは?

ご存知の通り現状、仮想通貨の補償については、各取引所に委ねられている状態です。
まだ預金のペイオフ制度のようなものは、仮想通貨にはありません。
>>関連記事:【補償制度比較】ビットフライヤー・コインチェック・Zaif【仮想通貨取引所】
補償制度 | |
ビットフライヤー | あり(ただし円出金のみ) |
コインチェック | なし(制度試行自体は発表済) |
Zaif | なし |
国内主要取引所のビットフライヤー・コインチェック・Zaifの補償制度は上記の通りです。
いずれもまだ不十分と言えるでしょう。
そこで、三菱UFJ信託銀行がいち早く、この補償サービスのところをカバーする動きを見せたというわけです。
これはユーザーにとっては嬉しいですね。
やっぱり、仮想通貨は安心・安全面に不安が残っているのは事実なので。
多少手数料を払っても信託を利用したい、という人は出てくるでしょう。
3.信託銀行を利用するデメリットは?

では、手数料以外で信託銀行を利用するデメリットはあるでしょうか?
一緒に考えていきましょう。
① スピーディーな即時取引が制限される可能性

先ほどの日経の記事では、『信託を利用すると、三菱UFJは信託口座で怪しい取引が無いか監視し、必要に応じて内容を精査する』とあります。
なので、信託銀行が取引をOKと認めるまでに時間がかかり、スピーディーな即時取引ができなくなる可能性がありますね。
② 仮想通貨取引情報を銀行に渡す事になる

これは銀行の内部にいた自分が感じるデメリットですが…。
信託銀行で取引を始めれば、銀行(たとえば三菱東京UFJ銀行)の方にも、自分の仮想通貨取引情報を渡す事になります。
これによって、銀行サイドでも個人の仮想通貨取引情報が見られるようになり、色んな提案を受けるようになってしまうかもしれません。
課税の資料に使われる事も、NOとは言えないかもしれませんね…。
こういうグループ会社での連携は、紙1枚程度で承認されてしまうものなんですよね。
なので、「銀行に仮想通貨の取引情報は渡したくない」という人は、ちょっと考えてみた方が良いかもしれません。
このデメリットについては、自分の憶測も入っているので悪しからず。
4.三菱UFJ信託銀行、仮想通貨取引所の破綻補償サービスまとめ

- 三菱UFJ信託銀行が、仮想通貨取引所が破綻に備え、利用者の通貨を保全する
- 仮想通貨を委託者の財産と別勘定で扱うとして、特許を出願中
- 特許が認められれば、18年4月サービス開始予定
- 仮想通貨ユーザーは手数料がかかる分、信託が保全(補償)して貰える安心感が得られる
- デメリットは即時取引に支障が出る可能性、銀行に取引情報を渡す可能性があり
いかがだったでしょう。
信託銀行による補償サービスが実現すれば、ユーザーにとっては間違いなくメリットがあります。
一方で、上記のようなデメリットも出る可能性があるので、ご注意を。
仮想通貨を安心に取引して行く為、自分でもしっかり保管していくようにしましょう!
▼僕はZaifとコインチェックを使っています▼