メガバンクは高給取りか?銀行員の『必要経費』を考えてみたい

元銀行員ブロガーのRyoheiです。

あなたは、こんな話を聞いた事はないだろうか?

 

「メガバンク銀行員は、とにかく給料が良いので、安定とお金が欲しい就活生から人気があるらしい」

 

確かに、メガバンクは就活生の就職ランキングで、毎年上位にランクインしているデータは山のようにある。

その理由の多くが、「安定している」、「給料が良い」という、銀行に対する世間一般のイメージとほぼ同じものだと思う。

 

しかし、ここに一石を投じたい。

本当にそうなのか?

 

実際に自分がメガバンク銀行員だった頃、職場の先輩や上司は、社会人として特別に羽振りが良いわけではなかった。

 

寧ろ、「なかなかお金が貯まらない」と嘆く先輩もおり、『銀行員は高給取り』という世間のイメージと実態は、かけ離れているように感じたのだ。

 

なので、本記事では、銀行員として働く上での『必要経費』について考えてみたい。

貰う給料以上に、何かとお金がかかってしまうのが、僕の感じた『銀行員』という職業だったからだ。

 

では、早速進めていきたいと思う。

 

1.メガバンク銀行員の給料のおさらい

メガバンク銀行員がどれくらい給料を貰えるか。

ざっくりとおさらいをしてみたい。

 

以下は、僕の経験則と上司から聞いていた話をもとに作った、僕が働いていた三菱東京UFJ銀行の年次による大まかな年収一覧表だ。

※職種にもよるので、今回は総合職の話で進める事とする。

 

◆新卒入社(1年目)~6年目年収300~500万円程度
・初任給は20万円程度と、特別高いわけでは無い。

・そこから年次を重ねる毎に、綺麗に右肩上がりをしていく。

・自分の営業成績等によって、大きく給料が変化する事は無い(努力が給料に反映されにくい)

 

◆7年目(大学院卒は5年目)⇒年収750~1,000万円程度
・このタイミングで同期の半分程度は、役職がついて昇格。

・給料は、だいたい1.5倍程度に跳ね上がる。

・残業代によっては、年収1,000万円にも届く。実際に、7年目(30歳くらい)で年収1,000万円貰ったと話していた上司はいた。

・ちなみに、このタイミングで出世が出来ないと、最速の出世コースからは外れたとみなされる。

・昇格のチャンスは一応毎年あるが、昇格出来ないと年収600万円程度が定年までほぼ変わらない。

 

◆10年目以降⇒年収1000万円~2,000万円程度

・最速で出世していけば、管理職になり、さらに年収も上がる。

・ただし、支店長クラスになっても、噂によると年収は1,500~2,000万円程度らしい。

・終わらない出世競争が延々と続き、体調や精神を崩す人も出る。

 

ざっくりと纏めるとこのイメージだ。

 

注目して欲しいのは、最速で出世をすれば、7年目(大学院卒なら5年目)で、給料が大きく上がる昇格のチャンスがある点。

ここで昇格を掴み、かつ残業時間を多くつける事が出来れば、30歳前後でもう年収1,000万円の大台が見えてくる。

 

この点を鑑みれば、確かにメガバンク銀行員が高給取りだというイメージは間違っていないだろう。

だが、実態はどうなのか。

 

次の章では、メガバンク銀行員が避けられない必要経費について、考えてみたいと思う。

 

2.銀行員が避けられない、三つの必要経費

転勤による送別会のあまりの多さ

まずは、何と言ってもこれが挙げられるだろう。

 

銀行員は、送別会があまりにも多い。

実際に、僕の職場では、多い月には毎週のようにやっていた時もあった。

 

何故、そこまで多いのか。

理由は単純で、転勤(異動)があまりにも多いからだ。

 

ご存知の方も多いかと思うが、メガバンク銀行員は2~3年で転勤がある。

早ければ、1年半で転勤してしまうケースすらあるので、非常に慌ただしいのが銀行という企業である。

 

なので、それに比例して、送別会が多くなってしまう、というわけだ。

 

ただし、それでも毎週、転勤の発令があるわけではない。

なのに、週1ペースで送別会がある時があったのは、何故だったのか。

 

驚くことに、自分の職場では、送別会が2回あったのだ。

 

異動の発表は金曜日に行われるが、その日にひとまずの送別会が有志で行われる。

厄介なのは、『有志』という名の強制的な送別会である事だ。

職場のトップである支店長(正確には支社長だが、分かりづらいので支店長とする)が参加するとなれば、誰もが参加するのが暗黙の了解となる。

 

トップの行動に同調し、飲み会の参加すら『右をならえ』をしてしまうのが、まさに昔ながらのサラリーマン社会と言えるだろう。

(銀行は特にひどいと思うが)

 

そして次の週に、オフィシャルの送別会が行われるが勿論、これも強制だ。

なので、この『一度の転勤で2回の送別会』によって、多ければ毎週のように送別会があったのだ。

 

そしてそれに伴い、お金がかかってしまう、というわけだ。

これはどうしても、避けようが無い。

 

 

辛い寮を抜け出し、一人暮らしをしたい者への手当てはゼロ

もう一つ、お金がかかってしまう理由が、一人暮らしのお金だ。

 

上述の通り、メガバンク銀行員はあまりに転勤が多いので、通常はその転勤先にある独身寮に入る。

独身寮は全国を網羅して配置されており、どこの支店に配属になっても独身寮(もしくは社宅)に入れるようにはなっている。

 

その寮は、月1万円程度で入れるので、まあ安いだろう。

(ただし、自分の寮は驚くほどボロかった)

 

ここで問題なのは、寮を出たい人への待遇が一切、無い事だ。

銀行にとっては、あくまで行員には寮に入って貰い、先輩や後輩と一緒に過ごして上下関係を学びながらすぐに転勤出来るようにしていて欲しい、という内心があると思う。

 

なので、寮を出ると言ってきた人には、何の手当ても出してくれない。

 

寮は様々なので一概には言いづらいが、自分が入っていた寮はなかなかのボロさで、支店からも1時間半の遠さという、まさに地獄だった。

そして友人は勿論、恋人も呼べない。

その上、ボロい寮になってしまうと、昭和の宿舎のような暮らしになってしまう。

 

この寮という意味での福利厚生は、メガバンクはかなり悪いかもしれない。

少なくとも、自分がいた銀行はそうだったし、寮に不満を持つ声は数え切れないほど聞いてきた。

 

寮暮らしが耐え難いという理由で、自分でマンションを借りている人はそこそこいたが、福利厚生での手当は全く無いので、全額自腹となってしまうのだ。

そのため、寮を出る決意をした者は、家賃等の一人暮らしの負担がフルにかかってしまい、結果的に金銭に余裕が無くなっていくのも、銀行員の財布を圧迫する大きな要因だろう。

 

結婚して単身赴任すると、さらにお金を無くしていく

そして最後に。

 

メガバンク銀行員は、結婚が早いと言われている。

確かに、自分の同期や先輩でも3年目や4年目あたりで結婚をする人は比較的多かった。

 

理由を聞くと、転勤が多いので、タイミング的に『今しか無かった』と言うものだった。

遠距離になるのを避けたいという理由や、転勤を機にプロポーズの一歩を踏み出したという理由だ。

 

ここにも、転勤の多さによる弊害が発生している。

恋人としばらく付き合っていると、2-3年に一度の転勤のタイミングが、結婚のタイミングとイコールになってくるのだ。

 

なので、銀行員の結婚が早い、というのも頷けるだろう。

転勤と言う外的な要因から、自然と身を固める道を自ら選ぶのである。

 

そして結婚をしても、いずれ転勤により単身赴任になるのは避けられない。

子供を含め、家族まとめて2-3年に一度の転勤に付き合わせるわけにはなかなか行かないからだ。

 

なので、自分の職場の30過ぎの人たちは、地元に住んでいる人を除いて、ほとんどが単身赴任の人たちだった。

そうすると、単身赴任手当も大したものでは無いので、結局さらに余計な出費がかかってしまう、というわけだ。

 

このメガバンクならではの転勤の多さが、結婚後もさまざまな苦労を生んでしまうというのはあまりに嘆かわしい話だろう。

 

3.まとめ

・30歳で1,000万円も見えるので、確かにメガバンクの給料は良いが、出費もどんどんかかる。

強制的に発生する毎月の送別会は、大きなコスト。

・辛い寮を抜け出し一人暮らしをしたいなら、手当て無しで全額自腹になる。

・避けられない単身赴任から、結婚後も出費がかさんでいく。

 

いかがだっただろう。

自分でも改めてきちんと振り返ったが、これではメガバンクが高給取りとは言いづらいのも頷けると思う。

 

だが、仕方ない。

サラリーマンは所詮、雇われの立場だ。

自分の中で割り切る部分を持ち、不満を殺して粛々と仕事をするしか道は無い。

 

僕は銀行員の時、「サラリーマンは、『ポストisベスト』と思うしかない。与えられたポスト(役割)で、ベストを尽くすしかないんだ」と言われたが、その言葉は今でもよく覚えている。

少なからず自分を殺して、生きていくのがサラリーマンだ。

 

それが嫌だと言うなら、自分で生きる道を選ぼう。

僕はそう決める人の背中を押します。